フィンランドおいてけぼり

疲れた。ほんとうに疲れた。
もう何時間経っただろうか、こんなところで動けなくなってしまってから。
降りられなくなって困っている猫を助けようとして。
憧れの国、フィンランドまでアイツと二人で旅してきた。
大好きな彼女にいいところを見せようと無理して登った。
で、猫は救われたが、俺は足を滑らせて天板を踏み抜き、ここから動けなくなってしまった。

彼女は、というと猫を抱いて何処かに消えてしまった。
てっきり助けを呼びにいったのだと思っていたが、何の音沙汰もない。
最後に見えた横顔は、猫に向けられた無垢な笑顔に見えたのだが、まさか!?。

とっぷり日も暮れてしまった。寒くなってきたな。

comments

toragai面白かったです!フィンランドに旅したことを想い出しました。どうか、助けが来ますように!

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