パリで朝食を
フランスにフランスパンはない。中国に中華そばがないように、そこにあるのはバゲットだ。
パリの朝はクロワッサンで始まることが多い。フランス語で『三日月』を意味するこのパンを大きなカフェオレボウルに浸して食べるのがパリっ子の好みらしい。日本人にとっての『ねこまんま』のようなものだろうか。朝食といえば昔読んだ小説が印象深い。二日酔いの朝に一番うまいものは何か、と問われた主人公が『一杯の冷えた味噌汁』と即答した。
『嗚呼、いつかエッフェル塔の見えるカフェで朝食を食べてみたいなぁ』と思いつつ、私は今朝も冷えた味噌汁を啜るのであった。
ふらんすはあまりにも遠い。
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メンバーズパリのカフェでの朝食は、カフェオレとクロワッサンぐらいのシンプルなものだけど、どこの店で食べてもおいしく、感動した記憶があります。
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